若いとき、私は毎年夏に、北海道を自転車旅行していた。 帯広にも数度来たことがあったが、それから２０年近く経ってしまった。 本日列車で到着した帯広駅は、立派な高架駅に変わっていて、昔の面影は なくなっていた。

スタンプの図柄のモール温泉というのは 十勝川温泉のことで、植物性の有機物を多く含む、世界でも珍しい温泉である。 実は私は高校の修学旅行で訪れていて、入ったことがあるはずなのだが、記憶が 飛んでいて、どんな温泉だったか思い出せない。

翌11月25日（金）は、午前中の千歳発の飛行機で、名古屋へ戻る。午後は会社へ 出社しなければならない。遅めに札幌のホテルを出れば十分間に合う日程だった。

だが、せっかく札幌まで来ているのだから、もったいないと思い、 早起きしてホテルをチェックアウトし、札幌の街を少し散歩した。 肌を刺すほど、寒かった。
（→出張の寄り道、札幌へ）

思いついて、大通り公園から地下鉄に乗って、琴似へ行った。 北海道開拓の時代、 屯田兵の基地があったところだ。 その史跡を少し見学し、JRの琴似駅へ。この「わたしの旅型」の スタンプを押すことができた。

7:53発の札幌行きに乗り、次の桑園駅へ行く。大都会・札幌の朝のラッシュは 相当なもので、小樽方面から来るこの列車は着膨れした人でぎゅうぎゅう詰め。琴似駅で なんとか隙間に入込んで、桑園駅でなんとか隙間からホームへ降りた。 7:57着。

桑園は、函館本線と学園都市線（札沼線）が合流する、札幌の隣駅である。 どちらの線も、今の時間は札幌への通勤通学客でいっぱいだ。駅の北側に 札幌競馬場 があり、それがスタンプの図柄になっていた。

再び混雑する列車に乗って、8:08札幌着。隣のホームへ移動して、千歳駅の普通列車に 乗り換える。極端なもので、札幌から離れる方向のこの列車はまったく混雑していない。

次の駅は、苗穂駅である。JR北海道の広大な列車整備工場、 苗穂工場がある所。 周りはいくつもの線路が広がる。スタンプの「北海道鉄道技術館」は苗穂工場の中に あるが、開館するのは第2、第4土曜日の午後だけということで、狙ってこないとなかなか見学は難しそうだ。

寒いホームでしばらく待って、8:31の千歳行き普通列車に乗る。 次の白石駅が、函館本線と千歳線が分かれる駅。この駅にはスタンプがないらしいので、 私は次の、千歳線・ 平和駅 を目指す。8:38着。

ユニークな構造の駅である。ホームの端がそのまま平面的に駅舎・改札口になっている。その先が階段で 左右両方に行ける跨線橋につながっている。貨物ターミナルの中にあとから作られた駅で、周囲の 線路本数が非常に多いため、こうなったようだ。

このあたりの普通列車の間隔は20分置き。何度か乗っている千歳線、 いつもは快速エアポートで通過してしまうので、短い線区だと思って 居た。が、こうして普通列車で旅すると、ずいぶん時間がかかるものだ。

次の8:57の列車で、新札幌駅へ、9:00着。国鉄と自衛隊の土地を 札幌市が譲り受け、大きな団地を造り、副都心として開発したので、 新札幌と名付けられた。大通公園から地下鉄東西線に乗っても来ること ができる駅で、2009年の家族旅行の時にそうして来たが、 前回はスタンプを見逃していた。やっと今日押せた。

今日訪問したい駅は、あと３駅なのだが、どうも飛行機の時間を考えると怪しくなってきた。 9:04、快速エアポートに乗り、9:12、北広島駅へ。ここで普通列車に乗り換える。9:20、 島松駅でしばらく停車、次の目的地、恵み野駅へは9:28到着となった。駅舎にはクリスマス ツリーが飾られていた。 この駅の周辺では、ガーデニングが盛んだそうで、スタンプの図柄にもなっている。 今はクリスマスの飾りつけもたくさんあるのだろうか。

西側には、雪をかぶった恵庭岳や樽前岳が見えている。 17年前、あの山の上にある支笏湖から自転車で下った旅が懐かしい。

次の列車は9:53発で、9:57恵庭駅着。 若き日、ある年の自転車旅行で、終点に選んだ駅 で、ここも懐かしい。

しかし今日はゆっくり思い出に浸る時間はない。10:03の快速エアポート94号に乗って、新千歳空港駅を目指す。 いよいよ飛行機の時間が迫って来た。本当はあと、千歳駅にも立ち寄りたかったが、どうやら無理のようだ。 千歳駅での下車はあきらめて乗り続け、10:17、千歳空港駅着。急いでチェックインをしなければ。