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うう、なんだこのいい天気は。こっちにきてから一番いい天気やんか。 ２日酔いで札幌ハウスＹＨでめざめた私は、空を見上げてつぶやいた。 今日はすでに北海道を去る予定の日。すでに予定コースも予定飲み会も 終わった後。今日は消化の日の予定であった。しかしこのいい天気、走 りにいかなきゃなんとももったいないじゃないか。私は道内ダイヤ表を 読み初め、なにかいい手はないかと考えた。そこで思いついたのが、支 笏湖への軟弱バスツーリングである。札幌駅バスターミナル8:40発のバ スに乗り、支笏湖のほとり、一番標高の高そうな、オコタン分岐という 場所まで輪行し、そこで自転車を組み立てる。あとはダウンヒルを楽し みながら支笏湖や千歳川の清流を楽しみながら、新千歳空港まで走るの である。バス代８８０円。札幌から列車で空港まで行っても、手回り品 を含めると１０００円以上。安い上に、標高５００ｍと、４０ｋｍのダ ウンヒルを楽しめるコース。こりゃいかないてはない。飛行機は午後３ 時発なので、時間も十分である。 というわけで朝のバスターミナルへ。旭川行き、岩見沢行き、芦別行 き、夕張行きとひっきりなしにバスが発着している。乗降客もおおい。 しかし支笏湖行きは客は少なく、1/3くらいであろうか。輪行袋も下の 大きなトランクを明けて乗せてくれたし、手回り品切符も必要なかった。 ラッキーである。バスは豊平川をさかのぼり、真駒内を過ぎて山を登る。 ずいぶん険しそうな坂を上がる。自転車の人が何人か登っている。とて も苦しそうである。こちらは少し申し訳なく思う。オコタン分岐バス停 は、支笏湖の外周にそびえる恵庭岳の、丁度裏側にあたる。一人なにも ないバス停で降りると、少し高原らしい肌寒さが伝わってきた。分岐は、 秘湖と言われるオコタンぺ湖の方向に別れる道がここからあるためだ。 すこし登ってみる。しかしなんだか調子が乗らなくて、ついにあきらめ てしまった。反転し、支笏湖に下ることにする。 |
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その爽快さ。時速５０ｋｍ近く出ていたのではないだろうか。あっと 言う間に真っ青な支笏湖の湖面が見えてくる。美しいカルデラ湖だ。 水の色は、深い湖らしくとても濃い。向こうに樽前山の独特の姿と、不 風死岳の秀麗な姿が見える。湖畔のポロピナイで少し休憩。お茶にする。 観光客のボートも少し出ている。さわやかな風が吹く標高２４８ｍ。 １０ｋｍ程走って、千歳川の流れ出す、支笏湖畔公園まで。支笏湖ビジ ターセンターによる。この辺りの自然について展示してある。少し山に 入ればクマもいるようだ。札幌から５０ｋｍしか離れていないのに。 千歳川の流れ出すところに古い鉄道の鉄橋がかかっていて、遊歩道に なっている。かつて王子製紙が豊富な木材を運び出すためにひいていた 軽便鉄道の名残。その鉄橋の上から見る千歳川の源流。その美しさに、 思わずため息がでた。瑠璃色、というのがいいのだろうか。清らかな水 が、とうとうと流れ下り、水草がゆらいでいる。日の光が差し込み、と きおりキラキラと輝く。この旅一番の風景だ。 ３０ｋｍ、ひたすら林の中を下り、午後１時、新千歳空港に到着。 襟裳岬ツーリングのおまけ、ボーナスステージ支笏湖ダウンヒルは、 快適のうちに終わった。私の飛行機の出発時間まであと２時間。さて おみやげを選ばなければ。涼しい旅も、残念ながらここまで。千歳は 気温１９度なのに、名古屋は、今日は３８度もあるそうだ。こことは 違う夏が、私を待っている。帰ろう。北海道よ、今年もありがとう。（了） |
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