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夜の札幌の町を一通り歩いてきた．旧道庁，時計台，大通公園のテレビ塔．札幌に来た からにはやっぱり歩かずにはおれない．今日は夏祭りの様で，とても活気づいている． 時計台の近くでコーンラーメンを食べた，これも定番である．今夜の宿，札幌ハウスＹＨ は札幌駅のすぐそばである．ＹＨに戻ると，ちょうど加藤均さんが帯広から到着した所 だった．今日は土曜日，仕事が終わってすぐに特急「おおぞら」に乗って，駆けつけて 下さったのだ．明日加藤さんは札幌の仲間と逢う約束があるそうで，朝岩見沢まで私を 見送って下さるという事である．まことにありがたい．本当にお世話になりっぱなしなのだ． ８月８日の朝は少し早起きをして，ＹＨから程近い，北海道大学のキャンパスを散歩 した．朝の光りにキャンパスの緑の芝生が輝いて美しい．その芝生の上でちゃっかり テントを貼ってキャンプしている奴がいる．たしかにいい場所ではあると思うが．．．． クラーク博士の胸像がある．クラーク博士が札幌農学校で教えたのは，わずか８カ月だけ だそうであるが，生徒たちに本当に大きな影響を与えた．ボーイズ・ビー・アンビシャス の言葉，あまりにも有名である．北海道開拓精神は，まさにここで培われた．この広い 北海道を今のような豊かな農業のある土地に育てたのは，ここで学んだ人達である． その理想のように高くそびえるポプラ並木の道，綿のようなポプラの種が，フワフワと 落ちてきた．朝の光りが斜めに差し込んでいた． 銀色の特急ホワイトアロー号で，岩見沢へ．約３０分で着いてしまった．さて，最後の 旅を始めよう．残る目標は，昔走った所まで自転車で走って，私の旅の記録を一本の線に する事だ．ここから直線距離４０ｋｍで一番近い恵庭の町を，その終着点に選ぶことにし た．いろいろお世話になった加藤さんにお礼を言いい，出発する．今日もいいお天気だ． この大きな自然，美しい花や動物たち，おいしい海の幸，おおらかなアイヌの人達の文化， 力強い開拓の歴史．本当に魅力的な北海道は，何度旅しても新鮮だからである．きっと これからも幾度も訪ねたいと思うにちがいないからである．水田の中を一直線の道は続き， 恵庭の町へと続いていた．今私の自転車の旅の道は，本当に一本につながり， 日本列島を南に駆け抜ける．（了） |
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