そのままスッと降下して行き、飛行機は 那覇空港へスムーズに着陸した。 ほぼ予定通りの、14:35着だ。空港のあちこちに、ブーゲンビリアや、 ハイビスカスの花の絵や、琉球の踊り手の人形などが飾られ、華やかだ。 預けていた荷物を受け取って、しばらく空港内を眺めて歩く。 ずいぶん久しぶりだから、とても広く新しくなっていて、驚く。

さっそく案内所で、空港の記念スタンプを押した。

その時は那覇から更に飛行機に乗り、石垣島まで行った。 今はJTAトランスオーシャン航空と名を変えた、 南西航空の飛行機だった。今は無き第２ターミナルから発着していた。 沖縄ローカル感を感じるターミナルには、こんな、南西航空独自のスタンプがあったっけ。

石垣島からさらに、竹富島、西表島、日本最南端の波照間島まで、自転車で走った。 沖縄の自然の美しさに魅了された忘れえぬ旅である。

こんな風に大好きな沖縄だが、ハネムーン以降、来れなかった。

これから、ゆいレールのスタンプを集めていくが、それ以外にエキタグや、 沖縄にある日本100名城・続日本100名城、合計５つもまとめて制覇したい。

空港のビルを出ると、連絡橋で繋がっている ゆいレールの駅が見えた。 入り口には「日本最西端の駅」とある。 百万人の人口を抱える、沖縄の県庁所在地、那覇の街に欠かせぬ交通機関への入口だ。 19もの駅があり、今日・明日で回るので「2日乗車券」を買うことにした、1800円。 QRコードが着いていて、自動改札機にかざすと、改札を入ることができる。 これからのキップは、磁気からQRコードに変わるだろう、とも言われている。

ゆいレールの各駅には、沖縄らしい図柄が描かれた、縦長のスタンプが設置されている。 これは各駅に飾られているステンドグラスと絵が共通している。那覇空港駅の図柄は、 琉球舞踊の踊り手である。四ツ竹という小さな打楽器を両手に持ち、拍子を打ちながら、 鮮やかな衣装を身に着けて踊る、琉球王国時代からの伝統の踊りである。

ゆいレールには、デジタルスタンプのエキタグも、最近全駅に設置された。 図柄は、リアルなスタンプと同じだが、リアルスタンプにある「令和〇年〇月〇日」という、 自分で日付を書き込めるスペースが省略されているようだ。スタンプ台のところに、 エキタグも一緒に貼られており、スマホをかざすと、画面にも踊り手が現れた。

こちらの画像も紹介しておこう。 ゆいレールのスタンプは大きいので、なかなか鮮明押印が難しい。 ここから先は、押し方に寄る印影のブレがない、エキタグの画像で、 スタンプを紹介して行こうと思う。

もう今は、押すことはできないが、2003年の開通時には、これとは違う開通記念スタンプも存在した。 押し鉄仲間の文月さんが押された印影を頂いているので、紹介しておこう。 このスタンプでは「日本最西端の駅」であることが強調されている。

さてコンコースの2階から、エスカレータで3階ホームにあがり、このスタンプに描かれた、 可愛い、モノレールの車両を見に行こう。ずっと２両で運行されてきたが、最近は混雑がひどくなってきたため、 ３両編成の車両も導入され、増えてきているとの事である。

15:38、赤嶺駅に到着、下車する。スタンプの図柄は、 平和の礎（いしじ）。 太平洋戦争、沖縄戦の犠牲者の慰霊の場所、沖縄平和祈念公園にある碑だ。 20万人あまりの、犠牲者一人一人の名前を刻む活動が続いている。 沖縄を語る時、あの戦争を避けることはできない。 私も過去３回の旅では、毎回南部の戦跡を訪問した。 ただこの駅から、平和祈念公園が近いわけではない。ゆいレールの中で一番南にある駅なので、スタンプに選ばれたのだろう。

駅前に「日本最南端の駅」の碑があるそうなので、見ていこう。そう思って高架駅から地上に降りて行ったが、 どこにあるのか最初わからず、迷ってしまった。石作りの高い碑が、駅前ロータリーの向こう側にあった。

車窓には同じような住宅団地が沢山ならんでいる。 これは自衛隊の人たちの宿舎であろう。その向こうに、自衛隊の広い基地が広がる。 いつ来るかわからぬ、外国機の領海侵犯に対し、スクランブル発進で対応してくれているのは、 この基地の人たちだ。

乗車2分で、次の小禄駅に到着。スタンプの図柄は、 カチャーシー。 沖縄の人はお酒が入っていい気分になると、誰とはなく踊り始め、その輪が広がるという。 指笛や三線の音が加わって、にぎやかになる。そういう時に踊られるのが、カチャーシーだ。 両手を上に上げ、手首を左右に振って、テンポ早く回して陽気に踊る。 カチャーシーとは沖縄の言葉で「かき混ぜる」という意味だ。 今回の旅でも、どこかでカチャーシーを見かけることができるだろうか。

次の16:09発に乗り、16:11、奥武山公園駅に到着。 奥武山公園は、 県営の、広い運動公園である。

スタンプの図柄は、空手、である。勇ましく形を決めている人物が描かれている。 空手の発祥は、沖縄であるという。 琉球王国に仕えた士族を、サムレーと言うが、彼らの教養の一つとして受け継がれた古武術が、現在の空手のルーツなのである。 その技や形は、日本に伝わり普及し、さらには世界へと広まった。2020年の東京オリンピックでは、追加種目として採用された。

16:18、壷川駅着。ここのスタンプは、ハーリー。 中国の爬竜船（はりゅうせん）が琉球に伝わって、ハーリーと呼ばれるようになった。 船足が速い小舟で、沢山の漕ぎ手が息を合わせて櫂を漕いで進む。

「那覇ハーリー」は、 琉球王国時代から、600年続いている伝統行事である。 毎年5月に沖縄中からハーリーチームが集まり、船の速さを競う。会場は、目の前の国場川。 このスタンプは、その様子を描いたものだ。駅のステンドグラスも同じデザインで、 青い海の上で熱く戦う海人（うみんちゅ）たちの姿が描かれている。

私は最初の沖縄の旅、1991年の時にちょうど、この那覇ハーリーを、 目の前で見ることが出来た。いや、懐かしいな。

ゆいレールは、久茂地川の水路の上に作られたレールの上を進む。 既に都市化が進んでいた那覇の街中に、モノレールを通すには、川の上にレールを作る必要があったのだろうな。 16:33、県庁前駅着、乗り降りする人が多い。 すぐ目の前に、沖縄県庁の大きな建物があり、目の前の交差点は、沖縄一の繁華街・国際通りの起点。 まさにここが、那覇の町の中心である。

スタンプには、琉球王国の王様と、船と鐘が描かれている。 かつて琉球王国は、海に浮かぶその立地を生かし、貿易をする事で栄えた。 中国の明とは朝貢貿易の形を取り、この進貢船が何度も往来し、物や人を運んだ。 多くの東南アジアの港にも、貿易船が行き来していた。

今回私が泊まるホテルは、この駅と、旭橋駅の間ぐらいの場所にある。４泊５日、ずっと同じホテルに滞在する予定だ。 まずはチェックインを済ませて荷物を置いて、国際通りに繰り出し、なにか沖縄グルメをいただくとしよう。 （→つづく）