コーラルウエイ
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国産プロペラ機、ＹＳ１１は、ふわっと飛び立った。 眼下に広がるのは珊瑚礁の海、コーラルウエイである。 緑色のかわいい島が、竹富島。琉球伝統の赤瓦の家並み が残る、楽園のような島だ。その向こうが黒島。島々を 青白く、明るい色をした海が取り巻いている。まもなく ＹＳ１１は雲の上に出る。今までの曇天が嘘のように、 強烈な日差しが窓から差し込んでくる。 名古屋から１０００ｋｍ飛んで那覇へ。それからまた ４００ｋｍ西へ石垣島。日本の一番西の島である与那国島 までは、そこからさらに１２７ｋｍ西にいかねばならない。 もちろんＹＳ１１には、私の自転車が積んである。 |
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本当は妻と２人で来たかった。 でも、福岡から名古屋への引っ越し、新生活の準備、花嫁 には重労働の挙式などが続き、彼女の疲労はピークに達し ているようだ。自転車ツーリングハネムーンといさんで 石垣島まで来たものの、ホテルでゆっくりしてる方がいい との事。天候も思ったほど暖かくはなく、外は少し北向き の風が冷たい曇天である。もちろんそれでも、本土にいる より１０度は気温は高いけれども。 私の方はと言えば、自転車でいろいろな所を旅した結果、 日本の最北（北海道宗谷岬）・最東（北海道納沙布岬） ・最南（沖縄県波照間島）と走破して（もちろん正確には 普通の人が行けない最端はこの際無視して欲しい）、 東西南北、残りは最西の、この与那国島だけになっていて、 今回を本当に楽しみにしていた。なんというか、そういう 青春の旅の完成をしたくて、ハネムーンに沖縄を選んだよ うなところがあった。まったく独りよがりのロマンチスト だからね。まあとにかく、やっぱり行きたいのである。
というわけで、人には暴挙と見えるかもしれないけど、 |