ホームから改札へ、階段を登ると、途中にエキタグが貼ってあった。 最近えちごトキめき鉄道も、エキタグを設置した。せっかくだから取得して行こう。 図柄は、以前押したことがある駅スタンプと、同じものであった。 この駅が、新潟県の鉄道発祥の地であり、ＳＬと転車台が描かれている。

さっそく「あの店」に、美味しい魚を食べにいきたいが、 その前に、押し鉄としてはもう一仕事しなければならない。 私はいったん改札を出て、信越本線でこの先2駅の、犀潟駅までの切符を買った。

電車に乗車して落ち着いたので、まずは直江津駅の分を取得しよう。 さっそく海鮮を詰め込んだ、カラフルな駅弁の絵が現れた。 「鱈めし」だそうだ。

新潟の鉄道発祥の駅だから、直江津駅に駅弁が出来たのも、ずいぶん早かったそうだ。 1900年（明治33年）に販売が始まったそうだ。 この「鱈めし」は、50年以上前から、直江津駅構内で駅弁を販売してきた老舗、 ホテルハイマート さんのものだ。その名の通り、駅前でホテルも営業されている。 「たら」の駅弁は、全国唯一で、1992年発売開始とのこと。なんとも豪華でおいしそうだ。

今乗っているのは、犀潟からほくほく線に入る電車で、 次の黒井駅は通過してしまうが、TrainTrip印は取得したい。 車窓に目を凝らして、黒井駅のホームが見えてきたところで、タイミングをあわせて スマホを操作し、なんとか取得に成功した。

こちらの図柄は「にしんめし」であった、こちらも、美味しそう。 これもまた、ホテルハイマートさんが手がける人気駅弁の一つだ。 江戸時代は北前船で運ばれてきていた、にしん。その歴史を伝える駅弁である。

さらに列車は闇の中を走り続け、18:05、犀潟駅に到着。 ここで下車したのは私の他は、帰宅を急ぐ会社帰りの人が数人。 ホームでTrainTrip印を取得しているうち、一人取り残されてしまった。

取得したスタンプの図柄は、これまた ホテルハイマートさんの「磯の漁火」である。 豪華な海の幸を散りばめた、自信作だ。 販売数量が限定的で、なかなか食べられない人気の駅弁らしい。

犀潟駅に降りたのは、2011年以来か。前回は駅員さんにスタンプを出してもらって押したっけ。 でも今日は時間が遅く、窓口はもう閉まっている。 しかし、エキタグは設置されていた。ここから分岐している、ほくほく線のものだ。 窓口が閉まったあとのこの時間でも取得できるから、ありがたい。 日本海を背景に、高架の線路を走る車両が描かれたスタンプだった。

18:22、直江津行きの列車がやって来た。今度はJRの信越本線の車両である。 これに乗って、直江津に戻ろう。

豪華に魚を盛りつけた海鮮丼には、魚の名前を記したメモが着く。これが楽しい。 今日は、『ヒラマサ、ヒラメ、レンゴダイ、カワハギ、カナガシラ、 イクラに、タコに、甘エビ、ベニズワイガニに、なめろう』と来た。 さらにオプションでカニ汁をつけることができるのだが、これも頼まずにはいられない。 ああ、美味しい。この至福の食事のために、私は何年かに一度、直江津に来たくなるのだ。

直江津は、越後国府も置かれた古くからの港町。日本海の恵みが、今もこうして味わえる。

大満足して、駅に戻って来た。今夜のホテルは、北陸新幹線の駅、上越妙高駅の駅前に取った。 直江津駅からは、えちごトキめき鉄道の「妙高はねうまライン」の列車で４駅である。 19:34発の妙高高原行きに乗る。

闇の中を、春日山、高田、南高田と過ぎると、前方に、煌々と明かりがついた巨大な駅が近づいてきた。 19:58、上越妙高駅に到着。2011年に新潟支社印を集めに来たときは、まだ新幹線はなく、 脇野田駅という小さな駅だったのだが、夢のような変わりようである。

この上越地方の英雄と言えば、なんといっても上杉謙信である。 新しい上越地方の玄関口となった、この上越妙高駅の駅前には、 金の兜をかぶった上杉謙信の銅像が設置された。 その像が、エキタグに描かれた。

今日はこの駅前の、なじみのビジネスホテルに泊まる。 明日はこの上越地方で、まだ取得できていない、続日本100名城のスタンプを２つ押すため、 城巡りをするつもりである。体力を使いそうだから、今日は早めに休もうと思う。

その旅の詳細は、城好きの方に向けて別途書いたので、以下を読んでいただけたらと思う。
（→押印登城記日本200名城・高田城へ）

お昼前、上越妙高駅に戻って来た。実はTrainTrip印の「駅弁スタンプ」は、 この駅にもあるので、紹介しなければならない。 またまた、ホテルハイマートさんの「さけめし」である。 これも色どり良く、とても美味しそうである。

ここ上越妙高駅には、「山崎屋」という駅弁のお店がある。 その店頭には、この話で登場したスタンプにあった、 ホテルハイマートさんの駅弁がずらりと並んでいる。 それもそのはず、このお店、ホテルハイマートの直営店なのだ。

ただ、スタンプよりも現物の方が、ちょっとばかり小さく感じてしまった。 私には少々、量が物足りず、新幹線がやってくるまでに、あっという間に食べ終えてしまった。

（→JR東・長野支社印・第18章につづく）