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（→「押し鉄のススメ」新潟地区・第17章のつづきです。)
駅スタンプが目的で北陸へやってきたが、それだけではもったいないので、もう少し足を延ばすことにした。 まだ未収集の続日本100名城のスタンプを押印するため、新潟県は上越市までやって来た。 北陸新幹線の上越妙高駅の、駅前のビジネスホテルに宿泊した。その翌日、2024年11月15日(土)。 秋晴れの良い天気である。城巡りにはぴったりの好日だ。 |
| 早起きして駅前に出ると、この街の英雄、上杉謙信の像の、金の兜が朝日に光っている。 駅の向こうには、妙高山の威容も見える。この街には、謙信が築いた日本100名城・春日山城と、 その後築かれた続日本100名城が２城ある。春日山城は登城済みなので、今日は残りの２城を回ろうと思う。 |
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まずは、この駅から、えちごトキめき鉄道で２駅の、高田駅に行こうと思う。
駅の時刻表を見ると、今の時間の次の列車は、7:27発の特急しらゆき・新潟行きであった。 次の停車駅が高田である。なんだかもったいないような気もしたが、 せっかくのこういう機会なので、贅沢に特急を使うのも悪くないか、 と思い。特急券を買った。とても快適な特急の乗り心地を短時間楽しみ、7:42、高田駅着。 |
| この高田が、江戸時代を通して上越地方の中心だった、高田城の城下町であった。 |
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高田駅
(えちごトキめき鉄道) エキタグ 高田城 日本三大夜桜 とても頑丈そうな作りの駅舎と、大雪でも街のメインストリートを問題なく通行できるように、 しっかり作られた雁木の街並みが、独特で立派である。駅スタンプのデジタル版である、 エキタグをスマホで取得してみると、これから行こうとしている高田城の御三階櫓が描かれている。 桜の名所であるらしい。 ずっと以前の出張で一度、訪問したことがあるのだが、 その時はまだ、「続日本100名城」なんてのは始まっていなかったので、再訪したい次第である。 |
 *AKINA*さん先行押印 |
| 駅から城までは少し離れているので、バスで行こうと思う。そのバス停も、駅前からちょっと歩いた、 高田案内所というバスターミナルから出るので、わかりにくくて不便だった。 7:56発のバスに乗り5分、8:00、本町三丁目で下車。まだ街中であり、そこからさらに歩かなければならなかった。 |
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続日本100名城、其の132 高田城 街を外れると、とても広い、水を湛えた湿地が広がった。実はこれが、高田城の堀の跡である。 あまりにその幅が広くて、堀に見えずにびっくりするほどだ。 なにせこの城は、徳川幕府が伊達政宗に命じて縄張りさせた、威信をかけた天下普請の城なのである。 藩主になるのは、家康の六男、松平忠輝であった。彼の正室は、伊達政宗の娘であった。 そりゃ、広いはずである。本丸に着くまでに、歩き疲れてしまいそうだ。 |
| やがて広い堀の向こうに、黒い御三階櫓が見えてきた。天守閣に相当する建物として建てられただけあって、 屋根の金色の飾り金具が豪華だ。朝日に輝いて美しい。本丸へ続く橋は、極楽橋と言って、 築城当時の姿を木造で復元したものである。これを渡って、いざ登城しよう。 |
| 上杉謙信の後継である景勝の時代、上杉家は豊臣秀吉から、会津への転封を命ぜられて、 この上越を去っている。秀吉は、上越を堀秀治に与え、堀氏は日本海に面した直江津の港の近くに、 福島城を築城して居城とした。しかし、堀秀治の息子の代に堀家内部の権力争いが起き、 徳川家康はそれを失政だととがめて、堀氏をこの地から追放した。 |
| 家康としては、このチャンスで秀吉恩顧の堀家はつぶし、 自分の息子にこの領地を与えたいと思った。そうしか思えないが、 伊達政宗に命じて、六男忠輝のために、この高田城を築かせたのである。 領地の石高は７５万石という大藩の誕生であった。それにふさわしい城作りが行われた。 |
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少し時間が早くて、御三階櫓はまだ開いていなくて見学できなかったが、
まあ昔一度来たことがあるし、この外観が見られれは今日はそれでいい。
続日本100名城のスタンプを押しに、城内にある上越市歴史資料館へ行こう。
城内がとても広いので、また橋を渡ってしばらく歩かねばならなかった。
開館を10分ほど待って、入場し見学する。スタンプを押し、御城印も購入した。
松平忠輝は1614年(慶長19年)に、高田城に入城した。 家老は、佐渡金山も統括していた大久保長安。そして岳父は伊達政宗、 という強力な体制だったので、さぞやうまくいくだろうと思われた。 しかし、実際にはそうはならなかった。 兄で２代将軍となった秀忠と、忠輝は仲が良くなく、 大久保長安は金山で私腹を肥やしてスキャンダルを起こし、 伊達政宗はまだ天下を狙っているのではと疑われた。 忠輝はいろいろ不行状をとがめられ、 わずか２年で、兄から改易を言い渡されるのである。 |
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このあと、高田城の城主は、ずっとコロコロと変わり、安定することがなかった。
というのも、忠輝改易の時についた悪いイメージが残り、不行跡の大名が出たときに、
左遷をする場所として使われるようになってしまったからである。
御城印には、沢山の家紋が描かれているが、実は、この事情によって、 こんなに家紋が多いのだ。忠輝以降の藩主の家柄を列挙すると、 酒井家、越前松平家、勤番城主の幕府領、稲葉家、戸田家、久松松平家、榊原家、となる。 石高もだんだん削られていった。こんな調子で、なかなか藩領が繁栄するような、 良い領国経営は行われなかった。 |
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江戸の吉原で遊びすぎたのを、八代将軍吉宗からとがめられて左遷されてきた、
榊原家は、その後ここで５代続き、それなりに善政を行って、幕末まで続いた。
戊辰戦争では、新政府側について戦った。高田城の隣の敷地には、今も、榊原神社がある。
徳川家康四天王の一人だった、榊原康政から始まる、歴代榊原家の当主を祀っている。
江戸時代、そんな紆余曲折があった高田藩ではあるが、 この地ははるか昔、越後国の国府があった時代から、 日本海側の水運で重要な港、直江津があって、ポテンシャルがあった。 江戸時代には北前船が通い、商業が栄え、今につながっている。 |
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| 高田城への再訪はかなった。 この後はもう一つの続日本100名城に向かいたいが、都合の良いバスがない。 どうにも交通が不便なので、タクシーを呼び、上越妙高駅に戻ることにした。 |
