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昨年は、何年かぶりにクラス会を開く人が多かったそうである。東日本大震災の後、
人との絆をもう一度強くしたい、と思う人が増えた影響だと、ニュースで解説していた。
だからからなのか、どうかわからないが、私の中学の時のクラス会も、秋に十数年ぶりに開かれた。
久しぶりに懐かしい友人と話すのはとても楽しかった。その後、何人かの方とメールのやり取りをし始めた。
そんなやりとりの中で、クラス会に来れなかった人も含め同窓生５人で、滋賀県の長浜で新年会をしよう、
ということになった。関東から鉄道旅行で長浜に来る方があるのがきっかけだった。
長浜なら、名古屋からも関西からも適度な距離で、集まりやすい。
2012年1月7日(土）、名古屋から東海道本線に乗る。昨夜は雪が降ったようで、関ヶ原のあたり からホームに積雪が残っている。だが天気は良くて、白い伊吹山の雄姿が迫力満点である。 |
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日本100名城、其の50 彦根城 午後に長浜で待合わせだが、少し早めに名古屋を出た私は、その前の時間に、 彦根城に行ってみることにした。 彦根は名古屋から程よい 距離のため、この城には私も何度も来たことがある。もう６，７度目であろうか。 最近でも家族で来たことがあって、そのときは人でいっぱい、天守閣に登らず、 ひこにゃんのステージだけ見て帰った。 正午少し前に到着、今日は新春の冬の日なので、観光客は多くない。 今日は今年最初の城めぐり、天守に登ってみよう。 |
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| キラキラした印象のこの天守閣は、数少ない現存天守閣にして国宝である。近江の国には戦国時代、 織田信長の安土城、明智光秀の坂本城、羽柴秀吉の長浜城、豊臣秀次の近江八幡城、石田三成の佐和山城と、 立派な天守閣を持った数々の城が築かれたが、栄枯盛衰激しく、長く続かなかった。最終的に 残ったのは徳川時代、井伊家の城として造られたこの彦根城、ただ１つである。だからこの城には、 それら現存しない他の城の部材が使われていたりするし、建築様式の影響が残っていたりする。 この天守閣は、近江の歴史の結晶のようなものである。 |
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天守に登り、琵琶湖を眺める。これから行く長浜の方向、北の湖水は深い青色で、寒々としている。
湖北の山々は少し雪をかぶっていて、冷たい風がそちらから吹いてくる。が、そんな様子が神々しくて美しくもある。
彦根駅に戻り、長浜行の快速電車に乗る。米原を過ぎると周囲に
田園が広がるが、今日は真っ白な雪景色である。
長浜駅に着き、待合室で しばらく待っていると、「いやあ、お久しぶり」と、懐かしい同級生が現れる。 中には、実に二十年ぶりぐらいでお会いする方もいる。４人集まったので、夕食までの 間しばらく、長浜の街を散策することになった。 |
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まずは駅の南側、長浜鉄道スクエア
に行く。
長浜の街の歴史は、羽柴秀吉の築城時の町割りに始まり、徳川時代は北国街道の宿場町として栄えた。 明治には琵琶湖の汽船と鉄道の乗り換えターミナルとなる。この街は、ずっと交通の要衝であった。 長浜鉄道スクエアには、初代長浜駅舎が元の場所にそのまま保存されており、奥にはSL、D51も 展示されている。私にとっては、 30年程前、自転車旅行で北陸に行ったとき立ち寄った 思い出深い場所でもある。でもその思い出も大学時代のことで、今日一緒に歩いている方々は、それより さらに古い中学時代の仲間なので、すごい。会話が今の話と昔の話と行ったり来たりする感じが、とても楽しい。 |
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北国街道に残る古い町並みを歩く。この街並みこそ、長浜の街の財産である。ガラス工芸で観光客を呼び込むのに
大成功した「黒壁スクエア」
は、そんな古い建物を次々と再生し店としてオープンさせた。ここを歩くのも
20年ぶりぐらいだが、以前よりずいぶん、賑やかな感じになっていた。
古刹・大通寺に参拝したあと、一旦駅に戻る。
少し雪がちらついてきた。夕方になって来たし、さすがに湖北は寒い。そろそろ鍋が恋しくなってきた。
もう一人、関西から来た同級生と合流して再開を喜び合う。これで全員そろったので、黒壁スクエアの近くの、 茂美志屋 さんという店に入る。今日の新年会は、このお店で鴨鍋を頂くことになっている。鴨鍋は、湖北地方の名物である。 暖かいお店で、鍋をつつく。鍋には鴨の他、四角い丁字麩や赤こんにゃくなど、近江名物も入っている。 長浜の地酒も頂いたが「六瓢箪」「七本槍」と、戦国時代にちなんだ名前のお酒であった。少し酔っていい感じに なり、近江の味を楽しみながら、いろいろな話が弾む。 |
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私の息子が、今ちょうど中学生である。自分たちがその年齢だった頃からはもう、35年ぐらいの時間が過ぎている。
子供がいい中年になる程の長い時間なので、私の人生にはいろいろあったし、同級生それぞれの人生にも、きっと
いろいろなことがあったのだろうなあ。まあ、そうだけれども、そういう話よりも、こうやって元気で集まれたことが嬉しかった。
これからも出来たら時々、元気な顔をみたいものだと思う。
楽しい時間のあと、長浜に宿泊する方、関西へ帰る方と別れ、夜遅く一人、東海道本線の快速列車で名古屋へ帰った。（了） |
