釧路/出張の寄り道

2013年3月22日(金)午後4:00、帯広での一週間の仕事が終わり、車で帯広駅に戻ってきた。同行の方で東京に戻る人は、帯広空港から羽田行きの便がある時間なので、空港行きのバスに乗る。名古屋に帰る私は、新千歳空港まで出なければならないが、今からでは今日は間に合わないので、もう一泊帯広に泊まらないといけない。なので同行の方を見送って一人になった。

さて、これからどうしよう。
駅で、これから出る列車を眺めると「スーパーおおぞら７号・釧路行き」があるようだ。調べてみるとこれから釧路まで行っても、今夜のうちに帯広に戻れるようだ。帯広のホテルでゆっくりしていても良いが、思い切って釧路に行ってみるのも良いな、と思った。
もう２０年も前のことになるが、私は自転車で北海道旅行をした。帯広から釧路の間も、その時走った道だ。その沿線を列車で走って、昔の旅を懐かしんでみたいた思った。切符代は安くないので、とても贅沢な旅であるが。

帯広の街を抜けると、すぐに家が少なくなり、雪の大平原になる。いくつかの川を渡る。「利別」という駅を過ぎる。この駅のすぐ近くのYH(ユースホステル)に泊まったっけな。「池田」の駅の向こうには、名物の池田ワインの工場が見える。

雄大な十勝川を渡る。どこまでも白い平原が続いている。「新吉野」の駅は何もないところだが、ここから、えりも岬を目指した旅を始めた思い出の駅だ。やがて、太平洋の海が見えてくる。このあたり、旅の友人Kさんと二人でのんびりツーリングした所だ。懐かしいが、あの時は夏だった。今日は波も荒くて、ずいぶん様子が違い、寒そうだ。「白糠」の駅は、そのKさんと分かれてまた一人で走り出した駅だ。
懐かしい、懐かしい。

あれから２０年も経過してしまった。嘘のようである。
こうしてまた仕事で北海道に来るとは思っていなかった。

すっかり暗くなり、18:14、終着・釧路駅着。帯広より少し寒い気がする。駅舎は20年前の旅の時と同じで建変わって居なかったので、大変懐かしかった。幣舞橋あたりまで行ってみたかったが、戻りの列車の時間を考えるとちょっと厳しいので断念する。駅前のラーメン屋に入って、ラーメンを一杯食べていくぐらいしかできない。
20年前の旅では、さらに日本の果て、根室納沙布岬まで走ったが、さすがに「出張の寄り道」で来るのは、釧路が限界のようである。19:08、スーパーおおぞら14号札幌行きで、帯広に戻ることにする。帯広着は20:42の予定である。

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