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2015年05月30日(土）、妻と二人、東京駅の中にある東京ステーションホテルに
宿泊している。今年開業100周年になるこの人気のホテルには、一度泊まってみたかった。
ウチの会社は社員が50歳になると、長年の労をねぎらう意味で、旅行券をくれる制度がある。
それを使って、日ごろ苦労ばかりかけている妻にも楽しんでもらおうと、半年前から予約を入れておいた。
東京駅は100年前、 日本の中心駅にふさわしい駅にしようと、辰野金吾が設計して作られた。 頑丈な赤レンガの建物は、関東大震災にもびくともしなかったが、 東京大空襲で焼かれ、上部のドームなどを失っていた。 ２年ほど前、やっと創建当時の姿に復元された。丸の内・南口改札を出て、そのドームを中から見上げれば、 実に豪華で威風堂々としている。明治維新以来、ひたすら西洋列強国に肩を並べたいと思っていた 時代を象徴する建物である。 今は重要文化財であるこの建物の中には、ホテルも作られた。政府の要人や、外国からのビジネスマン、そして鉄道好きの文豪が宿泊していたとのこと。 駅とともにリニューアルされて、今は日本の中心・東京駅にありながら、ゆったりと出来るリゾート感覚のホテルになっている。地下１階に作られた スパでゆっくりと温まってから部屋に戻る。格調高い調度品で統一された部屋は、シックでレトロである。 さて、ホテル直営のレストラン に夕食の予約を入れてある。そろそろ、行こうか。
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フランス料理を楽しんでいるうちに、日が暮れて来た。レストランの窓の向こうの、
東京中央郵便局にライトアップの明かりが灯った。あの中は今、
KITTEという商業施設になっている。
東京駅のライトアップは見逃せないので、散歩に出て見よう。
両側にドームを持ち、シンメトリーな形の東京駅。中心部の入口は皇室専用である。ライトアップで赤レンガ
が暖かく輝き、美しい。そういえば私は東日本大震災の時も東京に出張で、出張先からこの駅まで歩いたっけ。
この駅ならきっと、余震の中一夜を過ごしても大丈夫だろうと覚悟を決めたが、東海道新幹線が動き出してくれて
難を逃れたっけ。
妻に東京駅の素晴らしい夜景を楽しんでほしい。そこで向かいの 新丸ビルの７階のテラスへと誘った。 ここからの眺めが特等席なのである。横に長い東京駅が暖色に輝き、その向こうの八重洲側の高層ビルが 白っぽく輝く。何度見ても素晴らしい。
と、その時である。グラリとゆっくり、ビルが横に揺れた。この感覚は、東日本大震災の時に感じたのと似ている。
M8.5、はるか深い所が震源の大きな地震。
まさか、妻と二人でここに来ているときに起きるとは。日本とは、なんたる地震国であるか。 |
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