|
2015年7月28日（火）。
台湾の首都・台北市
に隣接する、新北市のホテル10階の部屋で目覚める。
カーテンを開けると、ごちゃごちゃとした町並みや通りが見える。昨夜は喧噪の巷だったが、
朝早いこの時間、静かである。朝焼けに、この街のランドマーク、
台北101
ビルが遠くに霞んで見える。
急に決まった出張で、日曜日の夕方セントレアから台北に飛び、このホテルに入った。 昨日は186kmも離れた台中市まで、代理店の方の車で高速道路を往復。お客様の所に計画の説明に伺った。 片道3時間近くかかり、なかなかしんどかった。夜、台北市内のレストランで、 同行の方々と一緒に、回転テーブルに次々出てくる中華料理を囲み、ひととき台湾を楽しんだ。 今日は、日本に戻るだけ。仕事をなんとかこなせてホッとしている。 今日は、朝9:00に代理店の方が、私を空港に送るため、車でホテルに来てくれる予定だ。
朝5:00に目が覚めた。窓の外を見ていたら、なんだかこのまま帰るのが勿体ない気がする。
なにせ私にとって初めての台湾なのだ。せめて少し、朝のうちに周囲を散歩してみようか。
ホテルのフロントの方に、ちょっとそのあたりをウオーキングしてくると声を掛け、外に出る。
近くに新北市新荘体育館
があり、公園になっている。朝の運動でウオーキングしている人が多い、この辺りである。 |
|
500m程歩くと、地下鉄（MRT)の新荘駅
に行きついた。台北の地下鉄網は充実しており、5路線100以上の駅があり、便利である。
せっかくだから一駅乗っていくかと思い階段を下りていく。
孫文が描かれた100元札を自動販売機に入れ、
切符の代わりのトークンを買う。10元(約40円）。地下鉄は新しくとても快適で、
簡単に隣駅まで行けてしまった。時間もあるし、これならこの街の中心駅、台北駅まで行っても大丈夫そうだなと思った。また地下鉄を乗り継ぎ、20分ほどで、
"台北車站"、台北駅に着く。
地上に出れば、地上6階地下2階の堂々たる駅舎がそびえ立っている。日本でいえば東京駅にあたる台北駅。高鉄（台湾新幹線）や、台鉄（在来線）の列車が皆ここから 発着している。駅前にはSL、 LDK58蒸気機関車が飾られている。日立製作所が作った車両で、50年以上台湾の地を走った。台湾の鉄道の基礎は日本統治時代に作られたもの。このSLも、この国の激動の歴史の一証人である。 今は経済的な繁栄を謳歌しながらも、中国大陸側との歴史的対立関係を抱えるこの国。もっとゆっくり旅してみたいが、今日の寄り道はここで時間切れである。 8:00前、地下鉄で新荘駅に戻る。朝のラッシュが始まっており、この国の乗り物の代表と言えるスクーターバイクが、ものすごい集団を作って道を行き来している。 ホテルに戻り、汗をかいたのでシャワーを浴び、朝食を食べて荷物をまとめる。 9:00、代理店の方の車が迎えに来て、桃園国際空港へ向かう。12:00、キャセイパシフィックの飛行機で台湾を離れる。窓の外に、明るい色の海と、夏らしい大きな入道雲が見えた。ああ、やっぱりここは、沖縄より南の国だ。 今回の仕事は、まだこれからだ。また再訪の機会があるだろう。そのとき、台湾をもっと深く知りたいと思う。 |
|
