名古屋 -タワーズライツ-

「まあ、異常なしですね」
そう言われてほっとした、胃カメラ検査のあと。まだ喉には 麻酔が効いている。会社の健康診断でバリウムを飲んだ結果、 精密検査の要あり、とのことになって、会社を休んでこの クリニックにくる羽目になった。健康管理も仕事の内と言う ことで、まあ出張のつもりで受けにきた。

  実は5年ほど前にも同じように胃カメラを飲んだことが あるが、やっぱり異常なしだった。
「きっと若いから、バリウム検査の時は胃が動いたんでしょう。」 そう今日の先生はおっしゃるが、うれしいような、悲しいような。 まあ、ともかくなんともなかったことを、良しとしよう。 07年11月19日。
時間が余ったので、夕方、名古屋駅前に行ってみることにした。 年末恒例の タワーズライツの季節だ。 駅前は数万の光の洪水になっている。カップルや、子供連れや、 さまざまな人が思い思いに写真を撮っている。

  背広姿の親父さんが2人並んで、携帯の カメラの前でにこやかにしている。今日は平日、きっと出張帰り のビジネスマンさんであろう。名古屋に住んでいるから名古屋出張 というのはない私だが、経済が元気な街名古屋には、日々たくさん の出張の方が来ているにちがいない。この季節、名古屋に出張に 来た方は、ぜひ帰りに少し駅前に寄り、この光の洪水を 楽しんで行って頂きたい。この「出張の寄り道」に書いておこう。
名古屋の人間にとって、タワーズライツは、「ああ、 今年ももう終わりか」と思わせる年中行事になりつつある。 「今年も無事に、このタワーズの灯りを見ることができたなあ」 と感慨が沸いてくる。光の神秘性のせいだろう。

  そろそろ年賀状の辞退の葉書が届く季節だ。 今年は小学校の同級生の、奥様から頂いてしまった。同級生が 亡くなった事を知りショックを受けた。人間なんてはかないものだ。 やっぱり今日の胃カメラで、異常なしだったことを喜ばねば。 来年も、さ来年も元気で働き、このタワーズライツを見られるように、 がんばらねば。


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