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その後の旅は順調なものだった．神戸まで２７０ｋｍ， 潮岬までの旅に比べたら楽なものだった．
８月７日，アップダウンが厳しい枯木灘海岸を北上．どこまで行っても険しい岩礁 |
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１０日，いよいよ神戸を目指す．紀ノ川を渡り，孝子峠を越えれば大阪府である． 岸和田城，仁徳天皇陵を見学，にぎわう堺の町を抜け，南から大阪市を縦走する． 通天閣を仰ぎ見て，高速道路の下の道を行き，尼崎で兵庫県へ入る．暮れかかる国道 ２号線を西に走り，神戸市東灘区にある川合君のおばあさん宅に着いた． 紀伊半島一周に一週間かけて６００ｋｍを走り抜いた．海水浴で走らなかった日を 除いたら，一日平均１００ｋｍというペースだった．自転車でこのペースで旅を続け るのは，少々ハードだ．一日なら１５０ｋｍ以上走ったことも今までにあったが， 何日も続ける旅行ならせいぜい一日１００ｋｍ，いろいろな所を見物しながらでは， もう少しペースは落ちてくる．人によっても違うと思うが，私には１日１００ｋｍ 以下が良いとわかった． |
 灘の酒蔵 |
 異人館 |
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１１日は洗濯をする．洗濯機は真っ黒になった．もう少し，旅行中にこまめに洗濯 をして，荷物を少なくすべきだったかと思った．１２日は神戸市内の見物に出かける． 六甲山，北野の異人館，ポートアイランド，灘の酒の資料館．坂が多い神戸の町を 自転車で走っていると疲れるが，海からの風がどこにいても吹いている港町神戸が， 私はいっぺんで好きになってしまった．１３日，おばあさん宅に着いてからのんびり していた川合君と一緒に坂道を登り，神戸の夜景を見る．１００万ドルの夜景と 言われる神戸の夜景だ，それはきれいなものだ．やっと，紀伊半島一周を成し遂げた のだという実感がわいてくる． 明日，一気に神戸から名古屋まで走って，この旅を終わろうということになった． １４日，お世話になったおばあさん達に別れを告げ，朝５時前に出発，夜の１０時 に名古屋の自宅に帰り着いた，兵庫，大阪，京都，滋賀，岐阜，愛知の６県を次々 走り抜けた．いまでもこの日の２３０ｋｍ走破というのが，私のサイクリングの一日 最長走破記録である．近畿地方は，奈良県以外をすべて走破してしまっていた． 木曽川を渡るとき，折から，尾西市のお盆の夏祭りの花火が，私たちを祝福してくれた． （続く） |
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