バードサンクチュアリへ

　海側の広い敷地に，サラブレットの馬たちがが草を喰んでいる。 その向こうの海が光っている．北海道らしい風景だ。本場日高地方に 近づいたからであろう。そんなのんびりした風景の中をずいぶん走って， やっと苫小牧の街に入る．苫小牧は王子製紙の企業城下町。大きな アイスホッケー場がある。王子製紙のチームは有名だ。

　駅ビルでしばらく休憩してから，今日の宿ウトナイ湖ＹＨを目指す。 街の北側に抜けると，広い造成地が続き，そのうち原野になる。 勇払原野である．幾筋もの川がウトナイ湖に注いでいて，湿原を なしている野鳥の宝庫である。国道を走っているとトラックが たくさん走っていて危ないくらいだが，一歩森に入ると静かなものだ。 白鳥が気持ち良さそうに泳いでいる湖岸に出る。平和な風景である。 しかしここも，近くにある千歳空港の拡張工事など，開発の陰が 忍び寄っている。街から程近い所にこれだけの自然があるのだから ぜひ守って欲しいものである．ＹＨは森の中にある．

ＹＨ前の自然探勝路を歩いて行く．まったくの自然の中だ。 人影はなく，鳥の鳴き声が聞こえるばかりである。草木の名前がわかる 方ではないが，みずみずしい感じ，木の種類，北海道の森なんだなと いうのは実感できる。バサバザッと音がして，目の前から鳥が飛び上がった。 ここには２００種もの鳥たちがいるそうである．２階建ての建物が見えてきた．

　扉を開けると，さまざまの資料が張り付けてある資料室で，レンジャー の人が招き入れてくれた。２階に上がると，様々な望遠鏡が据え付けて あり，窓から湖の向こう側にいる鳥たちが観察出来るようになっている。 しばらくその姿をながめる．帰り道，バードウオッチングにやってきた人 たちに会ったが，お互い挨拶をして，とても気持ちよかった。人と自然が 気持ちよく共存できる場所，豊かな自然に出会えてうれしかった．

ＹＨの夕食はジンギスカンで，これもありがたかったが，なにより二晩の 車中泊の後，疲れはピーク。私は早く寝てしまった。

（続く)