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電力王と女優第１号
日本の女優第１号として知られる川上貞奴の屋敷が、このたび 「文化のみち二葉館」として復元され、一般公開されたので 行ってみました。この東区白壁・橦木町の界隈は、尾張徳川家の 上級武士の屋敷が多かった場所で、明治以降は新事業を興した実業家が多く 住む高級住宅街でした。かのトヨタの豊田佐吉さんもこの近くに 住んでいたとか。
さて大正の初め、川上貞奴がここに住まいを
構えたのには、電力王・福沢桃介との関係がありました。
アメリカやヨーロッパにまで公演に行き人気をはくしていた貞奴
でしたが、夫・川上音二郎と死別した後、この頃は福沢桃介と
第２の人生を歩もうとしていました。 |
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配電盤が物語る電力王の夢
福沢桃介はこの和洋折衷の屋敷に名古屋の財界人を招き、電力事業の 夢を語ったとの事。この屋敷はそのための舞台装置として作られた、 電化住宅であったというのです。裏手に建設当時の配電盤が 残っています。当時は電灯が珍しい時代。そんな中でこの屋敷 だけは、夜も電灯の明かりが煌々と着いていたとの事。 そして屋敷に招かれた財界人は、ここで有名な女優・貞奴の姿 を見るわけです。それはもう、夢のような体験だったのでは ないでしょうか？ そういうことをしながら、桃介は次々に ここで事業の話をまとめ、電力王の道を走ったわけです。すごい人ですね。 |
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屋敷の中はステンドグラスも印象的です。私の目に留まったのは
桃介が電源開発に情熱を傾けた山々をデザインしたもの。
こんな大正ロマンの塊のような屋敷に住んで、桃介と貞奴は第２
の人生の夢を語ったのです。 でも桃介さん、不倫だったんですって！？
深か〜い大人の世界、でありました。 |
