熊本 -がんばろう!熊本-



2016年4月、熊本で震度7を記録する大きな地震があった。 揺れは一度では収まらず、規模の大きな余震が続き、被害が拡大した。 ちょうど私は、その1週間後ぐらいに出張を予定していた。しかし、熊本空港は 使えず、訪問先のお客様にも大きな被害があって、出張は延期せざるを得なかった。 報道を見て、復旧を願うしかなかった。

9月、ようやく延期していた出張に行けることになり準備をしたが、今度はその日に 台風が直撃してしまった。私の乗るはずだった飛行機は飛ばず、熊本では地震で緩んだ 地盤に大雨で、土砂災害が出たという。私たちの住む日本は、どうしてこう地震や台風の 被害が多いのか。嘆いても仕方がないが、嘆きたくなる。

2016年11月07日(月)、三度目の正直で、ようやく延期していた出張に来ることが出来た。 打ち合わせは午後であるが、熊本の復興の様子も気になる私は、前泊して熊本駅前の ホテルに泊まった。早起きして、上熊本から熊本電鉄の電車に乗ってみた。 電車の正面にはくまもとを代表するゆるキャラ、くまモンが大きく描かれている。 そんな楽しい電車に乗って、高校生たちが学校に向かう。沿線にはまだ少し、青いシートを屋根にかぶせた民家が残る。

藤崎宮前駅の駅前からバスに乗って、街の中心部へ。通街筋のバス停を降りると、 目の前に、おてもやんの銅像。 今ではくまモンが街にあふれているけど、 くまモンが出てくるまでは、熊本のアイドルと言えばこの娘さんであった。 「嫁入りしたけど、旦那がブ男だったので、三々九度の杯はしなかったよ、 あとは何とかなるわよ!」なんてまあ、破天荒な民謡。
  くまモンも、おてもやんも、底抜けな明るさを持っていて、火の国熊本らしい。 通町のアーケードの商店会を覗くと、大きな「がんばろう!くまもと」の横断幕が見える。 熊本らしい明るいパワーで、ぜひこの逆境を乗り切って頂きたいと思う。

右手奥には、今回の地震の被害が酷い、熊本城の天守閣が見える。 天守閣の鯱は落ち、瓦が剥がれ落ちて痛々しい姿だ。加藤清正が積んだ 自慢の石垣も、今回随分崩れたそうだ。
  でも天守閣のすぐ下に見える、最近造られた 本丸御殿の建物の屋根の方は、被害が少なく見える。 きっと最新の技術を使えば、地震にも耐える建物を作ることが出来るのだ。 時間を掛けてじっくり、熊本の宝のこのお城を蘇らせてほしい。

熊本空港行のバスが来た。私はこれに乗って、今日の午後の出張先のお客様の所へ向かう。 私も微力ながら、復興のお役にたてたらと思っている。


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