ゆかたの君は...

すずさんにお別れして、２人松山ＹＨをめざす。 （番）どう？すずさんっていい人でしょ。 （の）うん、すごくまっとうな人ね。 （番）あん？てことは火の鳥にはまっとうな人おらんのかいな。 （の）私の居ない間に、何書いてるかわからんもの。 などと言いながら、道後温泉のアーケードおみやげもの屋街を あがっていく。ＹＨは高台にある黄色い建物。ＹＨ仲間の間では、 楽しくて設備のよいＹＨとして評判の所だ。夕食では、１００円 でワインが飲めたりしたので、２人で乾杯いたしました。 　さて、道後温泉に行かねばなりますまい。道後温泉は、驚くなか れ、聖徳太子が入ったことがあるという、きわめて歴史の温泉で あります。ＹＨのサンダルを借りて、温泉街に降りていく。 明治２７年に立った本館は、ずでに重要文化財である。神の湯の 入場券を買って入浴。すっかりあたたまって、いい気分で２階席 へ。ここでお菓子とお茶を頂ける。ゆかたも貸してくれる。天井 には大きな扇風機が回って、窓は大きくあいていて、手すりがあ って、温泉街が見下ろせる、日本の風流きわまっている。 　こういうところで、ゆかた姿で出て来るであろう女性を待って いる男ってのは、なかなかいいものでありまして、なんともねえ、 いいのでありますよ。 ところが、のんこさんは来たときと同じ姿で現れたのぢゃ(-_-;)。 ゆかたの君は....みせてくれないのね。 ちきしょうこのやろ、胆石の手術後をみせつけてやるう。 　道後温泉本館から外を見ると、松山名菓、一六タルトの看板が、 あざやかに黄色の地にあんこの黒いとぐろをまいているのだった。