瀬戸の夕日


　例によって志度の駅前でかき氷を食べて、涼を取ったあと、
電車で屋島に戻り、自転車で高松港をめざす。これから小豆島
へ渡るつもりだ。この旅は、初めの予定にはなかったアドリブ
の旅である。であるから私は着替えもつきており、途中コンビ
ニで下着を買ったりした。のんこさんとの２人旅も、明日まで
だ。も一日、走ろうと選んだのが、小豆島。
　高松の海辺には、干潟の生き物をねらって、アオサギやシラ
サギが飛んでいる。大きな船がたくさん居る港。やがて水城の
高松城を左手に見て、フェリーターミナルに到着。さっそく船
の時間をしらべると、具合良く、今日泊まる国民宿舎のそばの
池田の港に行く、国際フェリーの時間に合っていた。大きな船
だ。船の先頭の客席に陣取り、行く手の海を見ながら、約１時
間である。島かげはどんどん大きくなり、港が見えてきた。
右手高台に国民宿舎。午後５時３０分、池田港に到着。
　池田港を半周し、高台にある国民宿舎をめざす。路傍には、
小豆島らしくオリーブの木が植えてある。それを教えてあげよ
うと思うのだが、坂道を、のんこさんははるか先に登ってしま
っていて、ついていけない。ちくしょう、むこうはロードレー
サーだしな。おまけに私のランドナーのリアサイドバッグには、
のんこさんの荷物も積んで居るんだい。でも、くやしい(;_;)
登れば、それだけ水平線があがり、眼下の海が広がってくる。
あの特徴的な山は、屋島だね。少しずつ傾く日の中の海だ。
　部屋に荷物をおき、さっとお風呂に入り、夕食を取りに食堂
へ。道後温泉では見られなかったが、ここでは、のんこさんも
ゆかた姿である。窓の外には、瀬戸内の夕暮れが茜色に染まり
それは美しい。もちろんビールを注文して、乾杯。
戻る