遠い帰路

　納沙布岬から根室半島を時計回りに戻り、根室の駅から輪行。浜中の駅まで行き、 浜中ＹＨに一泊した。浜中ＹＨからは遠くに霧多布の町の夜景が眺められた。８月 ８日は、浜中から根室本線で釧路に戻る。釧網本線の列車に乗り換え、釧路湿原を 走る列車の旅を楽しむ。それから弟子屈で途中下車し、バスで摩周湖に行った。 高校時代・修学旅行で行った摩周湖は、雲ひとつない青空の下に美しい湖水を見せ てくれていたが、今日はまったくダメ。霧の摩周湖そのもので、見えるのは白い霧 ばかりだった。

　さらに斜里・網走と列車を乗り継いだ。網走で時間を潰し、夕食を食べて、 夜行特急オホーツクに乗る。一晩列車で北海道縦断の旅をして、翌８月９日朝、 ようやく札幌についた。そのまま千歳空港に行き、名古屋行きの飛行機に乗った。 根室まで行ってしまうと、こうやって帰ってくるだけで大変な旅行になってしまう。 本当に長い旅をしたものだと実感した。

　さて、名古屋に着いた私を悩ませたのは、暑さだった。今回、北海道ではずっと 霧の中ばかり走ってきたので、気温はだいたい２０度ぐらいだった。ところが、 名古屋に帰ってきた瞬間、気温は３５度台である。しばらくは体調がおかしくなり、 なかなか慣れることができなかった。 　札幌の加藤さんに、手紙を書いて旅の報告をする。今回は、日高山脈から最東端 納沙布岬まで走ったが、改めて北海道の地図を見てみると、これでも大して走って いないなあ、と感じる。ほんとうに北海道は広いのだ。機会があればまた来年の夏 も走って見たい、そういう思いが広がるばかりであった。（了）